研究授業を失敗したくない人へ、乗り越える3つのポイント

「研究授業が自分にできるか不安……」
「研究授業で失敗したらどうしよう……」
若い先生の中には、研究授業が精神的負担になっている方も少なくないでしょう。日々の業務に追われて時間的な余裕もなく、研究授業の準備まで手が回らずに焦ってしまいますよね。
今回は、研究授業における事前準備の流れや、研究授業を乗り越えるポイントについて解説します。研究授業が不安な方はぜひ参考にしてください。

研究授業とは

研究授業とは、教員の指導力向上を図るために、多数の人に公開する授業のことです。校内の教員が参加する校内研や、他校の教員が多数参観する公開授業などがあります。小学校の校内研の場合、その年ごとの研究テーマが決められ、それにそった教科を実施するケースが一般的です。

学校の校種によっても異なりますが、小学校では校内の教員の多くが年に1回以上の研究授業を実施します。参観者の規模は学校ごとに異なりますが、基本的に全教員が自分のクラスを自習体制とし、研究授業が行われるクラスに全教員が集合、放課後に全員でフィードバックを行うといった流れです。

筆者の経験では、年数に関わらず全員実施する学校が多かったです。参観者については学校ごとにまちまちでしたが、どんなに少なくても校長・教頭のどちらかは必ず参観していました。学校によっては文字通りの全員参観で、自習体制を作るのが大変な低学年の担任も参観していました。

研究授業

研究授業の事前準備

研究授業は通常の授業よりも相当な準備が必要です。早め早めの準備を心掛けましょう。指導案作成・教材づくり・板書計画などの事前準備のポイントは、以下の3点が挙げられます。
・他の先生からアドバイスをもらう
・他の先生の研究授業を見て勉強する
・教室の整頓を忘れない

他の先生からアドバイスをもらう

初任~3年目の先生は、他の先生からアドバイスをもらいながら授業を作るのがおすすめです。同じ学年の先生や、教科に精通した先生、初任の先生は初任研の先生から勉強させてもらうのが確実です。「どの先生も忙しそうで相談しにくい……」という時は、自分なりの形を作って要点をまとめてから聞きにいきましょう。

他の先生の研究授業を見て勉強する

自分の研究授業が回ってくる前に、他の先生の研究授業から学んでおくのが理想です。まず、「授業のうまい先生はどこに気をつけているのか」を少しでも感じ取っておくとよいでしょう。ベテランの先生のような授業は一朝一夕にできるものではありませんが、視野の広さ・機転の利かせ方・机間巡視など、勉強になることは多いです。

また、「授業後の協議会で、若い先生がどのような指摘をうけているのか」をよく聞いておくのも大切です。「自分も普段、同じような失敗をしている……」と感じる指摘があったら、普段の授業から少しずつ改善できるように心掛けてください。

教室の整頓を忘れない

忘れがちなのが教室の整理整頓です。参観する先生方は、授業者や児童生徒の様子、黒板の使い方だけでなく、教室内の掲示物や整頓具合も確認しています。図工の掲示の画びょうが取れていないか、書写の掲示の糊付けがはがれていないか、といった点は確認しておきたいところです。

先生に頼る

研究授業を乗り越えるポイント

研究授業を乗り越えるポイントは以下の3点です。

・別クラスで事前に練習する
・時間が足りなくなる前提で臨む
・失敗を恐れる必要はない

別クラスで事前に練習する

研究授業の前に、別のクラスで事前に授業を行うのがおすすめです。一度授業を行えば、児童生徒がどこにつまずいているのか、時間配分を誤っていないかなど、多くの気づきが得られます。

小学校教員の場合は、同じ学年の先生に相談して、1時間だけ授業をさせてもらえるように早い段階でお願いしておくのがベストです。もちろん授業対象の子どもたちが違うので、まったく同じような授業展開にはなりませんが、子どもの想定外の反応を事前に確認できるチャンスなので、日程をうまく合わせて取り組んでみてください。

時間が足りなくなる前提で臨む

研究授業はさまざまな活動内容を用意する分、時間が足りなくなりがちです。時間が足りなくなると、「指導案に書いた内容は終わらせないと」と焦ってしまい、子どもの声を拾いにくくなってしまいます。余裕を持った時間設定を心掛けてください。

なお、研究授業は時間を守って実施しましょう。他の先生は自分のクラスを空けて来てくれているので、時間を超えての授業はマナー違反です。また、チャイムが鳴った後は、子どもたちの集中力も失われます。

失敗を恐れる必要はない

研究授業だからといって、完璧な授業を目指す必要はありません。授業にはミスがつきものなので、「失敗しても大丈夫」というくらいの気持ちで、気を張りすぎないようにしてください。大切なのは、「失敗を今後の授業に生かすこと」です。研究授業によって得られた学びを、今後の授業や学級経営に生かしましょう。

授業

まとめ

研究授業は勤務年数に関わらず全員実施するのが基本です。他の先生からのアドバイスを参考にして、事前準備をしっかり行いましょう。別のクラスで事前に練習できる環境がある場合、事前授業を実施して子どもの反応を確かめるのがおすすめです。

多数の先生が参観するため、精神的負担が大きい方もいるでしょう。ただ、失敗を過度に恐れる必要はありません。「今後の授業をよりよいものにする」という前向きな気持ちで、研究授業に臨んでくださいね。

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