「こんな授業がしたいけれど、時間がない」という教員に伝えたいこと

多くの先生方が抱える悩みの1つが、「時間がないから、授業作りが十分にできない」ということではないでしょうか。

実際に教員の仕事は忙しく、担任の仕事、校務分掌や部活動などの業務があるため、授業作りが後回しになってしまうことが多い現状です。私も教員として働き始めた頃には、学校全体に関わる校務分掌の仕事に優先的に取り組み、担任業務や授業作りはその仕事を終えた後に行うことが多かったです。

しかし、教員が本来優先して取り組むべきなのは授業であり、自分の教科や担任業務に力を入れたいところ。

今回は、「こんな授業がしたいけれど、時間がない」と悩む先生に向けて、授業作りの時間を確保するための方法を5つ紹介します。これから紹介する5つは、私の体験や周りの先生の実践なので、少しでも忙しさの軽減に役立てば嬉しいです。

「こんな授業がしたいけど、時間がない」という教員に伝えたいこと

自分の教科や担任としての授業に力を入れたいけれど、充分な時間をとることができない先生は多いです。私も教員時代はなかなか授業を作る時間を優先して確保できず、部活動指導後のお腹もすいて頭も疲れた時間帯に、授業準備をすることが多かったです。周りを見ても、家で授業を考える先生や、放課後の遅い時間に授業の計画を立てている先生の姿をよく見かけました

授業作りの時間を確保するためには、なんとかして業務量や内容を見直す必要があります。優先順位を決めたり、他の先生に相談したりして、時間を捻出することで、少しでも授業作りの時間に充てることができます。
ここからは、私が実際に実践した時間を作るための方法や、周りの先生を見て良いなと思った実践を5つ紹介していきます。

私が、「授業作りの時間がとれなくて悩んでいる先生」に伝えたい時間を生み出す方法は、
仕事に優先順位をつける
管理職や他の先生に相談する
時短できるところは工夫する
同じ教科の先生と交流する
部活動を休む日を設定する

この5つです!

それぞれ順番に解説していきます。

時間がない

授業作りの時間を作る方法①:優先順位をつける

教員の仕事は山のようにあり、終わりが見えないことが多いですよね。私は、教員時代に行事などが重なり、終わらない仕事に追われフラフラで帰宅したことが何度もあります。

そんな状況の中で授業作りの時間を作るためには、仕事に優先順位をつけ、妥協するポイントを作ることが不可欠です。すべての仕事に本気で取り組もうとすると、授業準備に取り掛かる前に疲れ切ってしまいます。

そのため、自分の中で、「時間を使って取り組みたい仕事」と、「多少、手を抜いても大丈夫な仕事」に分けて、優先順位を設定するのがおすすめです。

例えば、私の場合は授業や生徒との関わりは大切にしたかったのですが、学校の調査関係や校務分掌の仕事は優先度が低かったので、隙間時間に短時間で終わらせることが多かったです。

優先順位をつけることで、仕事にメリハリが生まれて、授業作りに使える時間を増やすことができます。

授業作りの時間を作る方法②:業務内容の相談をする

仕事の優先順位をつけて働くことはできても、自分自身で業務量自体を減らすことは難しいです。他の先生と比較をして業務量が多い時や、自分がカバーできる範囲を超えている場合は、管理職や他の先生に相談するのがおすすめです。

管理職とは、1年に3回ほど面談があるので、その時に業務についての相談もすることができます。新年度が始まる前に相談できるなら、校内の業務分担を見直してくれる可能性があります。年度が始まってしまうとなかなか対応が難しい場合もあると思いますが、自分の思いや現状を伝えておくのが大切です。

管理職以外にも、教務主任や指導部長の先生など、自分に仕事を割り振る担当の先生に相談してみるのもおすすめです。私の場合は、新年度が始まる前に、自分の授業時数や業務内容で仕事量が多すぎると感じたので、指導部長に相談をして仕事を減らしてもらいました。「仕事が多いのは信頼されている証拠!」なんて言われることはありますが、授業準備の時間や自分の健康を確保するためにも、遠慮をせず、他の先生に相談をすることが大切です。

思うように対応してもらえない場合もありますが、言わなければ対応してもらう可能性さえなくなってしまうので、行動してみる価値ありです!

相談

授業作りの時間を作る方法③:時短できることはする

日々の少しの工夫で、時短ができることもあります。アイテムや教材、人材などを積極的に活用して、少しでも自分の時間を作りましょう。

例えば、
・家庭学習チェックはインク付きのスタンプを使う
・本のワークシートをそのまま使う
・書類はデジタルで管理
・専門ではない部分は外部講師にお願いする

このような方法があります。

それぞれ簡単に紹介していきます!

家庭学習チェック

家庭学習チェックは、家庭学習に力を入れている学校なら、数多くのノートや提出物を確認する必要がありますよね。チェックには意外と時間がかかり、文章の添削や解説などを書いていると、あっという間に1時間が過ぎてしまうことも。
目を通すだけで良い家庭学習の場合は、インク付きのスタンプを使うことで、インクをつける手間や文字を書く手間を無くし、時短になります。私が初任の頃は値段の安さを重視して、インクがついていないスタンプを使っていました。今思い出すと、スタンプ台でインクをつけていた時間が、かなりもったいなかったなと感じています。自分の名前の印鑑を押しているだけの先生もいるので、自分なりに効率の良い方法を見つけるのがおすすめです。

本のワークシートを活用

「絶対にオリジナル教材を作る!」と毎回オリジナルの教材を自作していると、時間も足りなくなってしまいます。そのため、授業アイディアの本などに自分が使いたいワークシートがあれば、そのまま使ってみるのもおすすめです。自作の教材と比較をすると使いにくい点はありますが、かなりの時短になります。授業で使いやすく、ワークシートが載っている本を何冊か常備しておくと心強いですね。

書類のデジタル化

書類を整理したり、必要な書類を探したりする時間をカットするために、書類をデジタル化するのもおすすめです。パソコン上やiPad上に保存しておくことで、検索するだけで必要書類を見つけることができます。デジタルで管理することで、机の上が散らからないのも、仕事の効率化につながる嬉しいメリットです。

外部講師の活用

進路指導など、自分の専門外の授業に外部講師を招くことも、自分の時間を生み出すことにつながります。
専門外の授業をするためには、その分野の勉強をする必要があるため、専門教科の授業準備よりも時間がかかり、大変な負担になりますよね。学校の予算があれば、思い切ってその分野のプロの外部講師にお願いすることで、自分が集中すべき仕事に時間を使うことができます。

効率よく

授業作りの時間を作る方法④:授業アイディアの交流

同じ教科の先生と授業アイディアの交流をすることで、授業作りがスムーズに進むこともあります。授業が思いつかない時や授業を計画する時間が足りない時には、同じ教科の先生に相談することで、自分のやりたい授業が明確になったり、新しいアイディアを得ることができたりします。
新しいアイディアは、次の授業作りにも活かすこともできるので、一人で考えるよりも時間を効率的に使えることにつながります。授業作りが行き詰まってしまった時や、時間的に余裕がない時は、同じ教科の先生に相談してみましょう。日頃から同じ教科の先生とコミュニケーションを取っておくことで、いざという時に相談しやすいです。

授業作りの時間を作る方法⑤:思い切って部活動を休む

最後に紹介する授業作りの時間を作るための方法は、部活動の時間を使うことです。部活動や少年団活動を休む日を設定することで、授業作りの時間を生み出すことができます。本来、部活動は教員の業務として設定されてはいないので、部活動で授業作りの時間がなくなることは辛いですよね。しかし、現実は部活動顧問を担当しないと、職場が上手く回らないことも多く、仕方なく引き受けている場合も多いはずです。
主顧問の先生の場合は部活動の時間短縮や休みを設定したり、副顧問の先生の場合は主顧問の先生に相談をしたりして、定期的な休みを設定することで、まとまった時間を作ることができます。私は、副顧問だったので、主顧問の先生と相談をして、部活動は基本的に事務作業のみを担当していました。主顧問の先生が部活につけない時は、生徒たちの様子を見ていましたが、その他は基本的に職員室で仕事をすることができました。
部活動の時間を使えることで、余裕を持って授業準備をしたり、他の先生と相談したりできるので、部活動を思い切って休むのは時間を生み出すために効果的です。

時間を作って、自分も生徒も満足できる授業をしよう!

今回は、「授業をしっかり作りたいのに、まとまった時間が取れずに、思うように授業ができない!」と悩む先生に向けて、授業作りのための時間を生み出す方法を5つ紹介しました。
どれも私が実践したり、他の先生が実践したりしていることなので、日々の仕事の効率化のための参考になれば嬉しいです。
毎日目まぐるしく過ぎていく中で、時間を生み出すのは本当に大変ですよね。無理をせずに、自分が優先する仕事に時間を使える方法を見つけてくださいね!
この記事が、明日からの仕事に少しでも役立てば嬉しいです。

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