夢(キャリアプラン)って持つべき?夢を持つべき理由

近年、日本の若者は夢を持っていないと言われます。それは本当にそうなのでしょうか。また、夢は本当に持つべきなのでしょうか。夢を持たずとも生きていくことは出来ます。今回は夢を持つべきなのか。その理由と共に話していきます

日本の若者は夢を持っていない?

日本の若者が夢を持っていないのは事実です。実際に他国と比較しても夢を持っていないということが分かります。2019年9月下旬から10月上旬にかけた20回目の日本財団「18歳意識調査」において、将来の夢はありますかというアンケートの結果が表しています。

夢を持っていると回答した割合

他国8カ国平均92.50%
日本60.10%

(対象国:インド・インドネシア・韓国・ベトナム・中国・イギリス・アメリカ・ドイツ・日本
 調査対象:各国の17歳~19歳男女、回答数:各国1,000名)

他8カ国と比較しても30%以上の差があることが分かります。しかし、夢を持っていないことは悪いとは思いません。日本は新卒を一括採用し、未経験から育て上げて終身雇用でその人を守っていくという環境が一般的です。学校卒業した時にはスキルは必要ではなく、就職後にスキルを付けていければいいのです。学校を卒業し、就活さえすれば就職出来るのです。就職した後は就寝雇用で守られているので成長する必要性も薄れてしまいます。したがって、自分の将来や夢などは考えなくとも不自由なく生きていけるのです。


日本以外の国は、就職時には即戦力として入社するのがほとんどです。そのため、スキルを身につけておかねばなりません。また、何日間に渡って、実際に業務を体感するインターンなどにも参加しなければならない会社もあります。入社したとしても活躍出来なければ終身雇用では無いので、クビになってしまうこともあります。したがって、自ずと将来自分がどう生きたいのかを考える必要があるため、夢を持つ割合が高くなるのです。

実は大人の方が夢を持っていない

若者が夢を持っていないと思われがちですが、大人の方が夢を持っていません。
「日本ドリーム白書2018」において夢はありますかというアンケートが表しています。

夢があると回答した割合

20代61.80%
30代58.50%
40代49.00%
50代47.60%

(調査対象:20歳以上の男女14,100人、調査エリア:全国、調査期間:2018年2月9日~2月14日)

このように、大人の方が夢を持っていないのです。若者の方が夢を持っていると分かります。終身雇用という環境が影響し、夢など持たずとも生きていけることが関係しているのだと思います。

終身雇用

夢を持つべきなのか

ずばり、夢は持つべきです。
ほとんどの方々も夢は持ったほうがいいと思っているのでは無いでしょうか。決して、誤解していただきたくないのですが、夢を持っていないから、その人は劣っているわけではありません。あくまで夢は持ったほうがよいというだけです。

では、なぜ夢を持つべきなのか説明できる方はいらっしゃいますか。ほとんどの方は説明出来ないのでは無いでしょうか。その理由も説明していきます。その前に、夢と同じような言葉の意味を持つ目標、目的、キャリアプランに関してそれぞれの違いは分かりますでしょうか。それについて説明していきます。

夢、目標、目的、キャリアプランとは

下記はそれぞれを辞書で調べた意味です。

辞書

夢とは実現させたい事柄。目標はその事柄を達成させるための目印。そして、目的というのは、その夢・目標を目指すべき理由といったところですね。キャリアプランとは、仕事においてのいくつかの目標を決めて計画を立てることです。要するに、仕事においての目標がいくつか連なったものですね。

夢、目標、目的を1500mのマラソンに例えると、夢は走破タイム。目標は一周のラップタイム。目的は走破タイムを目指す理由、ラップタイムを目指すための理由ですね。その走破タイムを達成できれば、予選に出られるから等。そのラップタイムを維持できればその走破タイムを目指すことが出来るから等。というような理由が目的です。
 
ここで気づいていただきたいのが、目標というのは夢を実現させるために実現させたい事柄なのです。したがって、夢も目標もどちらも実現したいことなので、同様の意味なのです。その目標が連なったキャリアプランも仕事において実現させたいことであり、夢も目標もキャリアプランも持っていた方がよいということです。また、夢だけでもよいですし、目標だけでも良いでしょう。したがって、題名も夢を持つべき理由ではなく、夢(キャリアプラン)を持つべき理由としています。

次が本題です。夢(キャリアプラン)を持つべき理由です。

夢(キャリアプラン)を持つべき理由

夢を持つべき理由は、人生の幸福度が上昇するからです。心理的なお話をします。下記の図と表はご覧になったことはございますか。

図
図1
表
表1

※参照「人間性の心理学」(著:A. H. マズロー)
「ヒルガードの心理学」(著:リタ・L. アトキンソン、エドワード・E. スミススーザン ノーレン‐ホークセマ、リチャード・C. アトキンソン、ダリル・J. ベム)

こちらは欲求7段階説と言います。なお、こちらは欲求5段階説、欲求6段階説とも呼ばれることもあります。それぞれ欲求の意味は表に記載どおりです。図に関しては、人間は①生理的欲求が満たされれば次は②の安全欲求が現れる。次に③の所属と愛の欲求が現れるという7段階の欲求があるというものです。

表にも記載がある通り、生理的欲求、安全欲求、所属と愛の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現欲求、知識と理解の欲求、審美的欲求の7つが人間を幸せだと感じさせる要素です。これらが夢を持つことで7つのうち、4つの(所属と愛の欲求、自尊と承認の欲求、自己実現欲求、知識と理解の欲求)の欲求を満足させることが出来るのです。

・夢を持ち、その夢に向かって努力することで自分を磨くことで自分自身が成長し、所属する場所で一定の地位を得られます。(所属と愛の欲求)

・成長し続けることで自分に自信が付きます。また、他人からも認められます。(自尊と承認の欲求)

・目標を持ち続けることで、新たな知識に興味をもち続けることが出来ます(知識と理解の欲求)

・ なりたい自分に近づいていくことで自分を満足させることが出来ます。(自己実現欲求)

上記は社会に出た後の参考です。部活にも例えられます。 自分を磨き、成長することで所属する部活でレギュラー等の地位を得られます。(所属と愛の欲求)
成長し続けることで自分に自信がつき、監督、メンバーからも認められます。(自尊と承認の欲求) もっともっとうまくなりたいと新たに知識、技術を吸収しようと思います。(知識と理解の欲求)なりたい自分(レギュラーになりたい。試合で活躍したい。信頼を得たいというような理想)に近づいていくことで自分を満足させることが出来ます。(自己実現欲求)

部活に例えましたが、これはもちろん勉強にも例えることが出来ますね。どのコミュニティに属していても、この欲求を理解し、夢や目標に向かって努力することで、人間の欲求の半数以上を満たすことが出来ます。強いては、幸福度を上げることに繋げられるのです。

幸福

まとめ

 人生の幸福度を上げるためには夢や目標などを持ち、生きていくことが重要です。何かを頑張ることが出来ている人は、夢ではなくとも、目標を持ち頑張っている人なのではないでしょうか。夢を持つべき理由に関して納得いただけだでしょうか。もちろん、夢などは持たずとも生きていくことができます。しかし、よりよく生きて行くためには夢や目標などはあったほうがよいのです。

引用元
日本財団「18歳意識調査」第20回 テーマ:「国や社会に対する意識」(9カ国調査)
日本人の夢を大調査!全国47都道府県14,100人の“夢”をまとめた「日本ドリーム白書2018」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です