「毎日の激務を何とか乗り越えてきたけれど、連休が明けてから仕事に身が入らない」という新任の先生は多いのではないでしょうか。もしかすると、「5月病」に陥っているかもしれません。
今回は、新任教員の掛かりやすい5月病について解説します。予防法や治すポイントも合わせて紹介するので、日々の疲れが抜けない方は参考にしてください。
目次
5月病は、ゴールデンウィーク明けに起こりやすい症状です。「仕事に行きたくない」「何となく体調が悪い」といった状態を指します。
倦怠感・食欲不振・不眠といった初期症状が起こり、徐々に体調が悪化。最悪の場合長期欠勤につながる恐れもあります。医学的には「適応障害」と診断される症状で、近年は社会人に増加しています。
5月病はさまざまな要因が積み重なって起こる症状です。
・気温の変化に伴う体温調節ができていない
・慣れない環境での精神的疲労
・人間関係の不安
学校現場について、「想像を絶する激務」と感じている新任教員の方もいるでしょう。新任でもベテランでも、児童生徒の前では同じ「先生」です。しっかりした先生として振る舞いながら、毎日授業と学級経営を回すだけでも大変な精神疲労があるはずです。加えて、学校運営に関わる仕事の山が、新任教員にも重くのしかかります。何をするにも分からないことだらけで、不安と焦りが蓄積しているのではないでしょうか。
「ゴールデンウィークを迎えるまで頑張ろう」という気持ちで4月を乗り切ったものの、連休が終わりに近付くにつれて体調が悪くなる、という新任の先生は多いです。出勤しても体調がすぐれず、児童生徒の前に立つのもつらくなり、早退や欠勤が増えてしまうケースが見られます。
5月病は精神的負担を原因とするケースが多く、抜本的な改善はなかなか難しいです。教員は業務時間が長く、土日も十分に休みづらいため、日々の生活の中で少しずつ体調を取り戻す必要があります。
おしゃべりをする
数分の雑談をするだけでも、気分転換につながります。悩みがあると、ずっと1人で同じことを考え続けてしまい、ネガティブな気持ちから抜け出しづらくなります。同世代の先生など声の掛けやすい先輩を見つけ、ちょっとした会話をしてみましょう。
早めに帰って体を休める
急ぎの仕事を済ませたら、できるだけ早く帰宅して体を休めましょう。仕事がたまっていくのは気になると思いますが、簡略化できる仕事はできるだけそぎ落とす習慣も付けてみてください。職員室にいると気分が滅入るという時は、家に持ち帰れる仕事は持ち帰ってしまうのも1つの手です。
体調不良を伝える
学年主任や管理職の先生に体調不良を伝えると、少し気持ちが楽になります。どの先生も仕事が手一杯なので、あなたの体調の異変に誰も気付いていない可能性は高いです。真面目な人ほど「体調不良と言ったら迷惑がられるかも……」と思うかもしれませんが、症状が重くなってそのまま欠勤がちになるよりも、先に言っておいた方が迷惑になりません。今の自分の症状を伝えておけば、早めの帰宅もしやすくなり、休養できる時間も増えるでしょう。
できるだけ5月病にならないよう、事前にできる限りの対策をしておくのが理想です。
仕事しやすい状態で連休に入る
職員室の仕事机は、ある程度整理整頓してから連休に入るのがおすすめです。連休明けの自分の机が雑然としていると、気分が沈みやすくなりますし、仕事効率も下がります。同様に、自分の学級や使用する特別教室なども、簡単に片付けておくとよいでしょう。
完璧を求めすぎない
常に完璧を求めるのではなく、要領よく手を抜くのも技術の1つです。真面目な人ほど仕事を抱え込んでしまい、無理がたたって体をこわす恐れがあります。児童生徒に任せられるものは、係活動などを活用して任せるようにしましょう。
相談できる人を見つける
悩みは1人で抱えず、誰かに相談するのが一番です。相談できる人を見つけて、愚痴や悩みを聞いてもらいましょう。同じ学年の先生や年の近い先生などに相談すれば、気持ちも少し楽になりますし、アドバイスをもらえるかもしれません。また、同僚の先生が忙しそうで声を掛けづらいなら、自分の家族や友人に相談してみてください。プライバシーに配慮した上で自分のつらい思いを伝え、精神的ストレスを和らげましょう。
5月病は、慣れない環境での精神的疲労や人間関係の不安が積み重なって発生する症状です。5月病から抜け出すには、ちょっとした雑談で気を紛らわせたり、早めに帰って体を休ませたりする方法が有効です。学年主任や管理職に体調不良を伝えておけば、気持ちも少し楽になるでしょう。
5月病を防ぐためには、ある程度仕事しやすい状態で連休に入るのが理想です。また、仕事で常に気を張っていると感じる場合、完璧を求めすぎず、要領よく手を抜く場面も意識的に作ってみましょう。相談できる人を見つければ、精神的ストレスは軽減しやすくなります。
真面目な人ほど悩みを抱えがちです。「体が動くからまだ頑張る」という無理な働き方を避け、心のゆとりを持ちながらの業務を心掛けてくださいね。
コメントを残す