高校生になって進路選択の時期がリアルに迫ってくると、悩みや不安が生じることが多いです。私も高校生の時は、自分の進路を決める際にわからないことや不安なことが多く、信頼できる先生に相談をしたり、自分でいろいろな情報を集めたりしました。
実際に進路に悩む高校生は多く、文部科学省の調査によると、高校生が自分の進路を考える際に「自分がどうなってしまうのか不安になる」と答えた生徒の割合はなんと50%でした。
今日は、このような進路に悩む高校生にどう指導すべきか5つのアイディアを紹介します!調査で明らかになった高校生の悩みをもとに紹介するので、高校生の進路指導で困っている先生の参考になれば嬉しいです!
目次
まず、文部科学省の調査による、「高校生が進路を考える際に抱える悩み」を紹介します。先ほども述べましたが、自分の進路に対して不安を抱える高校生の割合は多いです。
その中で、高校生が気にしていることは、
- 学力が足りないかもしれない
- 自分に合っているものがわからない
- やりたいことが見つからない、わからない
- 社会に出ていく能力があるか自信がない
- 知りたい情報を集めたり、選んでいく方法がわからない
- 自分で決断する自信がない
- 経済的な理由で自分の希望が叶わないかもしれない
このような悩みで、自分がやりたいことが見つからず、自分に自信が持てない生徒が多いことがわかります。
では、ここからは進路に悩む高校生をどのように指導すべきかのアイディアを5つ紹介します。
1つ目は、自己分析をすすめることです。生徒が自主的に行うようにアドバイスをしたり、キャリアの授業の中で自己分析の時間を設定したりするのがおすすめです。
生徒の悩みの中には、「自分に合っているものがわからない」「やりたいことが見つからない」などの項目があり、この漠然とした悩みが将来に対して不安にさせたり、生徒がやる気を持てない状況を作り出したりしてしまいます。
生徒自身が自分のことを理解することで、将来やりたいことが明確になり、今どのように過ごすべきかわかってくるので、将来に向けて行動できる原動力もわいてきます。
自己分析の方法としては、
・インターネット
・ライフプランや人生の価値観マップの作成
・自己分析の本
このような種類があります。
自己分析の本で、『「やりたいこと」の見つけ方(八木仁平著)』という本は、じっくりと自分と向き合う質問項目が用意されており、その本を読みながら質問に答えることで自己理解を深めることができます。
生徒が自分を理解するための自己分析をすすめることが、やりたいことがわからずもやもやしている高校生への進路指導アイディアの1つです。
進路に悩む高校生への指導アイディアの2つ目は、オープンキャンパスや学校説明会への参加を促すことです。進学を考える高校生は、進学先で悩むことが多いです。文部科学省の調査の中にも「自分に合っているのかわからない」という回答があり、これは大学進学においても当てはまります。
実際にパンフレットに書いてあることだけで決めるよりも、大学や学生の雰囲気を自分の目で確認することで、自分が行きたい大学なのかをしっかりと考えることができます。オープンキャンパスが遠くて参加するのが難しい場合は、出張で学校説明会を開催している大学もあるので、そこで話を聞き、自分のその大学についての不安や疑問を解消するだけでも進路についての不安は減っていきます。
オープンキャンパスや学校説明会への参加を促すことが生徒の疑問や不安が解消され、生徒が自分自身で進路を選択できるきっかけになります。
進路に悩む高校生への指導アイディアの3つ目が、生徒が自分で進路について調べるためにアドバイスをすることです。高校生が抱える不安の中に、「知りたい情報を集めたり、選んでいく方法がわからない」という項目があります。自分の将来について考えたいけれど、調べ方がわからないまま過ごしてしまい、不安な時間を過ごしてしまう状況も予想できます。
教員が情報の調べ方や正しい情報の選び方をキャリア教育の時間や個別の時間で生徒に教えることができれば、生徒は自分で必要な情報を調べることができるようになり、自分の進路も明確になっていきます。
・インターネットでの調べ方
・パンフレットを取り寄せる方法
・入試についての本
このような情報源があるということや具体的な調べ方を教えたり、授業で取り扱ったりすることで、「情報を集めたり、選んでいく方法がわからない」という生徒が主体的に自分の進路選択ができるようになります。
4つ目に紹介する進路に悩む高校生への指導アイディアは、本人の意見を尊重することです。進路を考える際に、親との意見の食い違いで悩んだり、学力面での不安や金銭面での不安を抱えたりする生徒が多いです。自分の選択に自信が持てず、親の意見だけを聞いて進学先や就職先を選んだ場合は、のちにその選択を後悔してしまう可能性も考えられます。
人生は様々なことを自分で選択して、切り開いていく必要があります。しっかりと生徒本人が選択できるように、身近な大人である教員が生徒の意見をじっくり聞いて、尊重することが進路指導においては大切です。
最後に紹介する進路に悩む高校生への指導アイディアは、学校での体験活動やインターンシップを充実させることです。高校生が抱える悩みの中に「社会に出ていく能力があるか自信がない」という項目がありました。
高校生の中には、自分に自信が持てていない生徒が多いことがわかります。実際に自分が高校生だった頃を思い出すと、進学をするだけでも不安だったのに、就職となるともっと不安だろうな…と高校生の悩みに強く共感します。
生徒たちに自信を持って、卒業後の進路に進んでもらうために、体験活動やインターンシップの充実が効果を発揮します。実際に、体験学習やインターンシップを経験することで、「社会に出るということ」や「自分が貢献できるということ」を実感し、体験を通して自分に自信を持つことができる場合が多いです。
栃木県立矢板高等学校では、地域と連携をした体験活動を実施しており、参加した生徒は「自分たちのやっていることがこんなに地域の方に喜ばれるのだとわかりました。」「この経験を通じて、たくさんの方の意見を聞き、全体を見通して一つの方向にまとめていく力がついたと感じています。」「人とのつながりやコミュニケーションを大切にしていきたいと改めて思いました。」などの感想があり、自分に自信を持ち、自分がやりたいことを考えるきっかけになっていることがわかります。
体験活動やインターンシップを充実させることで、高校生が自分の価値を認識し、やりたいことを見つけ、自分で進路選択をするきっかけになります。
今日は、進路に悩む高校生にどのように指導すべきかの5つのアイディアを紹介させていただきました!高校生は進路選択が間近になり、悩むことが多いのでできるだけ不安を解消して進路選択の後押しをしてあげたいですよね!今日紹介したことが少しでも進路で悩む高校生の悩み解決に役立てば嬉しいです!
参考資料
・文部科学省「進路を考えるときの高校生の気持ち」
・【進路指導・私の工夫】個別指導の際「やりたいことがわからない」生徒がいた時
・矢板高等学校「地域とのつながり」