進路指導に役立つ 5人のアスリートの言葉

この記事の要点

  1. 目標を具体的に決めて宣言させる
  2. アスリートの言葉で「人間性」を磨く
  3. ポジティブ思考を養う

皆さんは、目の前の生徒が、進路に関して迷っているとき、または立ち止まっているときに、どのような言葉をかければいいか迷うことありますよね、そんな時に心の支えとなる言葉をかけてあげたいですよね、私も高校時代に国立大学に挑戦するか迷っていた時に担任の先生が言ってくれた言葉が今も支えになっています。

またアスリートの言葉にも救われてきました。アスリートは日々、何かに耐えながら、目標に向かって頑張っています。そのような人たちが発する「言葉」だからこそ進路指導において迷える中高生達を助けてくれるでしょう。今回は実際に中高生の進路指導において役に立つ5人のアスリートの言葉を紹介していきます。

「リスクのない人生なんて、逆にリスクだ」

まずはサッカー日本代表 本田圭佑選手の言葉です

「リスクのない人生なんて、逆にリスクだ。僕の人生なんてリスクそのものなんで。」

進路を選択する時、やりたいことを軸にしてリスクを取るか、リスクを恐れて安全を選ぶのか、迷うことがあると思います。その時にこの言葉を生徒にかけてあげるといいでしょう。そこで失敗を恐れずチャレンジすることがいかに大切かを教えて導くことが大切だと言えます。

「俺ってすごくポジティブな性格だけど、裏を返せば、実はすごく不安な性格なんです。不安だから努力しようと思う。簡単に言えば強がっているんですよ。」

入試やその他の試験が迫ってくると、今自分が努力をしていても、何をしていても不安が付きまとってしまう生徒がいると思います。

でも世界のトップの舞台で戦い結果を残している本田選手でも、「不安」はあるのです。

その「不安」とどう向き合うかが重要だと教えてくれる言葉だと思います。

不安」をエネルギーに変えていけるように導いていくことが大事だと思います。

「結果を出して大言を吐くのは普通、結果を出す前に、結果を出す自分を想像できるからこそ大言を吐ける。」

本田選手は「ビックマウスだ」と批判されていた時がありました。しかしでかい目標をあえて人の目の前で宣言することで自分を鼓舞し、達成しなければならないというプレッシャーを自分にかけ、目標達成に向けて自分で追い込み努力をしていると私は思っています。

目標達成には周りに宣言することは大いに効果的です。進路指導の際にも目標を具体的に決めて宣言させることが重要なのではないかと考えています。

「すべては一歩一歩、階段を昇るように、ステップアップ」

次に、サッカー日本代表 長友佑都選手の言葉です。

「目に見える成果が出なくても、やったぶんだけ、人は成長する。」

この言葉は、成績が伸び悩んでいる生徒やうまくいかなくて落ち込んでいる生徒に伝える名言だと思います。目の前の成果、結果がでなくても自分は成長している!ということを伝えることが出来るでしょう。結果を出すことに関して長い目で見ることの大切さも教えることができるでしょう。

「人間には無限の可能性が秘められている。だからこそ、誰もが夢を持ち、それを実現させようと頑張れる。なにを頑張るかと言えば、まずは自分という人間を磨くことだと僕は思っている。諦めず、妥協せず、挑戦する勇気、努力を惜しまない姿勢。」

「人間性」に対する長友選手の考えは、見習うべきことが沢山あります。

勉強においても、スポーツにおいても、結局のところ「人間性」がしっかりしていないと何も成し遂げられないと思います。「人間性」において指導するときにおいて、生徒に響く言葉なのではないかと思います。

「僕のことをシンデレラボーイと呼ぶ人もいる。でも、僕自身は大きな驚きを感じることはない。すべては一歩一歩、階段を昇るように、ステップアップしてきた結果だと考えているから。」

どんな成功者でも夢や希望を叶えるために、地道な努力を一歩ずつ積み重ねてきていることを示すいい言葉だと思います。「どんな成功にも近道はない」というのを生徒に伝え、目の前の目標に集中させることにも効果的でしょう。

「日本人は謙虚な姿勢を大切にしすぎ」

そして3人目長谷部誠選手の言葉です。

「日本人は謙虚な姿勢を大切にしすぎて自分のことを小さく思い過ぎるような気がする。不景気だとか問題がたくさんある中で悲観的な気持ちになるのも理解できるけどテンションが下がりすぎていると思うこともあります。あと周りの目を気にしすぎる。」

周囲の反応を気にしすぎていて、自分の軸がぶれているときに伝える言葉としてピッタリだと思います。周りを気にしすぎていて悲観的に捉えすぎても現状は何も変わらない。そう思わせられる言葉ではないでしょうか?

「まあ、これはあまり明かしたくないんですが、僕はメディアに対しては自分に厳しいスタンスで話します。あのプレーは良くなかったと、どんどん口に出して言う。けれど、それと同じくらいに心の中で、『いや、お前はできる』っていう言葉を自分にかけているんですよ。」

自分で自分のことを「やればできる!」心の中で自己暗示すると自然と勇気が湧いてくると思います。自分に自信が持てない生徒に対して、ものすごい支えになると思います。

不安な時こそ「自分はできる!」と心の中で言って行動すると良い結果につながります。

常にポジティブな言葉を自分で生み出せるように普段からアプローチをしていきましょう。

自分で作った限界の壁を越えるのも自分

4人目はプロテニスプレイヤーのクルム伊達公子選手の言葉です。

「心の中で限界をつくらなければ人生の可能性がひろがっていくと、私は信じている。」

いつも何かしら自分に限界の壁を作り、すぐにあきらめたり、努力を怠っている生徒がいたときにかけてあげるべき言葉なのではないのでしょうか?

自分に限界をつくるのは自分です。自分で作った限界の壁を越えるのも自分です。

「継続するということは、同じことの繰り返しではなく、成長し続けることなのです。」

継続することは単純な反復と思われがちですが、実は単純なことではないのです。

勉強における英単語などの地道な反復、スポーツにおける素振り、筋トレなどの地道なトレーニング。やっていると「これは本当に意味があるのか?」と思いさぼってしまう生徒もいます。その時にこのような言葉は必要でしょう。

「答えは一つだけでなく、たくさんの選択肢がある。」

進路選択はさまざまなものがあります。特に大半が大学進学をするような進学校はとりあえず大学には行きたいけど、どこの大学に行けばいいかわからない、迷っている、そんな生徒もいるのではないでしょうか? ベタな言葉ですが、単純な言葉こそ効果があると思います。

99回まで来ていても途中であきらめてしまう

最後は松岡修造さんの言葉です。

元プロテニスプレイヤーの松岡修造さんはこれまでも数多くの名言を残していますが、その中でも進路指導に役立つものを紹介します

「100回叩くと壊れる壁があったとする。でもみんな何回叩けば壊れるかわからないから、99回まで来ていても途中であきらめてしまう。

頑張っていてもなかなか結果が出ず落ち込む生徒に対して、かけてあげると良い言葉だと思います、きっと「もう少し頑張ろう!」という気持ちにさせてくれることでしょう。

「弱気になった時、まず一ヶ月後の自分を想像してみる。それが自分の好きな姿だとしたら、そのために何をするべきかを考える。そうすれば、少なくともその日までは目的意識を保ち続けることができる。」

やる気やモチベーションが上がらない生徒に対して、モチベーションを持続させるための効果的な言葉だと思います。自分の理想の姿、好きな姿になるためにまだ頑張らなくてはいけないんだ!ということに気づかせてくれる言葉ではないでしょうか?

まとめ

今回は進路指導に役立つアスリートの言葉ということで世界で活躍されているアスリートの名言を進路指導の場面を想像しながら、お伝えしました。進路指導は教師において生徒に人生を左右する大事な仕事です、生徒に納得の進路を進んでもらえるように、役立ててください!

参考資料

本田圭佑選手公式ツイッター
・木崎伸也 『直撃 本田圭佑 (Sports Graphic Number)』 文藝春秋 2016-11-11
・本郷陽一『実現の条件 本田圭佑のルーツとは』 東邦出版 2014-01-23
・児玉 光雄 『石川遼、本田圭佑、長谷部誠などの言葉に学ぶ「夢の実現力」』プレジデント社 2011-10-28
・長友 佑都 『上昇思考―幸せを感じるために大切なこと』角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-05-25
・長友 佑都『日本男児』 ポプラ社 2014-05-01
・篠 幸彦『長友佑都の折れない心』 ぱる出版 2011-12-01
・長谷部誠『心を整えるー勝利をたぐりよせるための56の習慣』 幻冬舎 2011-03-17
・クルム伊達公子『負けない!-挑戦することは楽しいこと』 ポプラ社 2012-03-22
・クルム伊達公子『進化する強さ』 ポプラ社 2012-03-21
・伊達 公子,金子 達仁『Date of DATE 伊達公子の日』 文藝春秋 2018-07-27
・松岡 修造『生きる技術をみがく70のヒント 本気になればすべてが変わる』 文藝春秋 2011-08-04
・松岡 修造『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』 アスコム 2011-07-07