三者面談は、日頃関わっている生徒だけではなく、保護者も交えての面談なので緊張する先生も多いですよね。実際に私も教員時代に、初めて三者面談に挑む日は、とても緊張したことを覚えています。不安や緊張を感じやすい三者面談ですが、面談の前に準備をしっかりと行っておくことで、当日に焦らず対応することが可能です。
今回は、主に中学校3年生などを対象にした「進路を決定する三者面談」の流れや、必要な準備を紹介していきます。義務教育から卒業をし、子ども達が自分で進路を切り拓くための始めの一歩を決定する三者面談。事前準備を丁寧に行って、子ども達が安心して進路を決定できるように背中を押してあげたいですね!
目次
まずは、簡単に三者面談の流れを紹介していきます。三者面談は主に次の5ステップで進みます。学校によって細かい流れは異なる場合があるので、大まかな流れをつかむための参考にしてくださいね!
- 待機場所に生徒が待機
- 保護者が来校・面談の部屋に移動
- 三者面談を実施
- 面談内容の最終確認
- 日常的な会話・見送り
①待機場所に生徒が待機
まずは、生徒が面談を実施する教室以外に設置された待機場所で待ちます。面談の時間によって、学校に残って待機している生徒や、一度下校してから再登校する生徒がいます。
②保護者が来校・面談室に移動
保護者が来校し、待機場所の教室で生徒と一緒に面談時間まで待ちます。三者面談の時間になったら、面談を行う教室に移動。
③三者面談を実施
生徒・保護者・教員が揃ったら、三者面談をスタートします。資料等を使いながら必要な説明をして、生徒の卒業後の進路希望を確認。生徒と保護者がしっかりと進路について話し合い、お互いに納得できている場合、面談はスムーズに進みます。
④面談内容の最終確認
三者面談の終盤になったら、面談で決定したことの確認を行います。
- 進学するのか就職をするのか
- 第一志望校
- 私立受験は行うのか
- もし第一志望校に合格しなかった場合の進路
など、面談で話し合われたことを再度確認しておくと、決定内容の不一致等のトラブル防止にもなります。
⑤日常的な会話・見送り
生徒の学校での様子を保護者に話したり、雑談をしたりして、和やかなムードで面談を終えるのがおすすめです。私は小さい学校で勤めていたので、次の面談まで余裕がある時は、玄関まで見送りをしていました。大事な進路決定の場なので、生徒も保護者も緊張している場合があります。笑顔で面談が終えられると良いですよね。
ここからは、安心して三者面談に臨むためにおすすめしたい事前準備を5つ紹介していきます。1つ目に大切なのは、進路についての資料作成です。
- 第一志望校に対する生徒のテストの点数や成績などの現状
- 受検についての今後の流れ
これらを記載した資料を準備しておくのがおすすめ!生徒の現状がわかる資料があると、進路決定をする際の根拠の1つになります。もちろん、事前に生徒や保護者はその情報を把握しているという前提ですが、三者面談の場でも確認できると安心ですよね。
また、試験当日までの日程を明確に記載しておくことで、生徒も保護者もその日程を参考に行動することができます。特に受験は、必要書類の提出期日などがシビアなので、資料で示しながらしっかりと伝えておきたいですね。
2つ目に紹介する事前準備は、会場設定です。三者面談を行う上で、面談を行う教室と面談の時間まで待機する教室が必要になります。生徒と保護者が落ち着いて話せるように、
- 教室の確保
- 机や椅子の配置
- 面談時間に周辺がうるさくならないように他の生徒や先生に周知
これらを行っておきましょう!
三者面談は放課後に行われることが多いですが、部活動も並行して実施されることがあるため、「部活動中の生徒の声や校内を走る音で面談が落ち着いてできない」という場面も想定されます。
面談中に教室の外を他の生徒が走っていたら、話に集中できない生徒もいるかもしれません。事前に、部活動の生徒の活動範囲を指定したり、先生や生徒に周知したりすることで、落ち着いて話せる環境が確保できるでしょう。
三者面談前に準備しておきたいことの3つ目は、面談の内容を記録する用紙の作成です。
先ほど紹介した資料とは別に、面談当日に決定した内容を記録するための用紙を準備します。理由は、面談後に保護者や生徒からの「こんなことは言っていない!」等というコミュニケーション不足が原因の問題を防ぐため。決定した内容を記録用紙に書き、面談の最後にしっかりと確認します。
例えば、記録用紙には、
- 第一志望校
- 私立受検の有無
- 第一志望合格が叶わなかった場合の進路
などを記録する欄を設けます。面談をしながら、決定した内容を記録し、最後に記録用紙をコピーしたものを生徒にも渡します。記録の作業を行っておくことで、面談で決定したことをお互いに相違なく把握することが可能。
記録用紙は、紙でもデジタルでも問題ありませんが、しっかりと最終確認をして、生徒にも同じものを渡すのが大切なポイントです。
三者面談前に必要な準備の4つ目が、事前に生徒とたっぷり進路について話しておくことです。
十分に生徒と進路の話ができていない場合、生徒が最後まで進路に悩んで三者面談当日まで決められなかったり、保護者と生徒の話し合いがうまくいってなかったりするケースが想定されます。
三者面談当日に進路決定ができない場合は、面談日を再設定して実施するという形になり、進路の準備で忙しい教員もバタバタしてしまいますよね。来校回数が増えるため、保護者にも負担をかけてしまいます。
進路がはっきりと決まっている生徒の場合は、年間予定内に設定された二者面談等で十分かもしれませんが、悩んでいる様子が見られる生徒には、日頃から声かけをしたり、相談の時間を別に設定したりするなどの配慮が必要です。事前にしっかり生徒と進路について話をしておくことが、三者面談をスムーズに進めるための大切な準備になります。
最後に紹介する安心して三者面談に臨むために必要な準備は、「三者面談は進路の最終確認の場」だと伝えておくことです。
「三者面談で進路を決定すれば良い」と勘違いしてしまう生徒や保護者がいますが、三者面談は進路について最終確認をする場。
間違った認識で面談を迎えてしまうと、最終的な結論が出ずに、面談を再設定しなければならない家庭が増えてしまいます。知り合いの先生から「面談当日に進路に悩む生徒がいたので、もう一度面談をすることになった」という話を聞いたため、私は当時担任していた生徒たちに「三者面談で最終確認をするから、それまでにお家の人と話し合って決めておいてね!」と何度も伝えていました。
その結果、当日は「進路の最終確認」ができ、面談を再度行った家庭はありませんでした。事前に「三者面談は何のためにあるのか」を生徒にも、保護者にもはっきりと伝えておくのがおすすめです。
今回は、主に中学校3年生を対象とした「三者面談の流れ」と「必要な準備」を紹介しました。初めて三者面談に臨む場合は、緊張や不安を感じるかもしれませんが、あらゆる事態を想定して、事前に準備をしておくことでスムーズに三者面談が進行します。
三者面談は当日の進行等よりも、
・日頃の生徒とどのくらい進路の話をしているか
・必要な資料を準備しているか
などが大切!
担当する学級の生徒の実態に合わせて、面談を安心して行える準備をしてくださいね!この記事が、これから三者面談の準備を進める先生の参考になったら嬉しいです!
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