皆さんこんにちは、senpaitalk.com編集部です。今日はPBLについて。これまでの教育とは考え方が全く異なるこのPBLは一体どういう経緯で生まれてきたのでしょうか?
目次
PBLは何故必要なのか?その理由
大学入試制度改革は2019年現在かなり迷走中ですが、元々PBLはこの入試制度改革の流れで重要性が教育現場に降りてきたと記憶しています。
いわゆるポートフォリオ構想が持ち上がり、課外活動について記入させる必要が出てきたのです。そうなると何か記入させるネタが必要だ、と。そこでアクティブラーニングやPBLが突然流行り始めたと言うのが現場の感覚です。したがって、受験対策の一環として注目度が上がった教育手法と言えるのではないでしょうか。
ただそれだけではなく、PBLには確かな教育効果があります。そもそも受験制度の見直し自体も、激変する社会の中で活躍する人材育成に対応する為に行われるもの。これまでの仕組みが成り立たなくなってきた産業構造の中で、若年のうちから主体的な学びを提供する機会は、現代の教育において必要不可欠なものだと言えます。
PBLの学習効果は?実例をもとにご紹介
ではPBLにはどんな学習効果があるのでしょうか?私がこれまで見てきた中で、特に素晴らしいなと思ったケースをいくつかご紹介します。
これは嬉しいケースですね。とある大阪の高校の先生からおっしゃっていただいた事です。彼は少々変わり者で、クラスの中でうまく馴染めないタイプだったそうです。学校の成績も振るわず、学校も次第に休みがちに・・・。
ただ、私が以前立ち上げたPBLビジコン「キャリア甲子園」の参加がきっかけで、彼の持っていた才能が開花したそうです。アイデア発想やプレゼンなど、周囲の子たちが出来ないことを積極的にこなしていきました。そして周りから必要とされ、信頼されるようになってきてクラスの中でも存在感を持つようになり、毎日イキイキと学校に来るようになったそうです。
これまでの教育では扱われなかったスキルが求められた結果、ですね。
PBLは「主体的な学び」のためのもの。生徒が自ら学ぶことで、これまで受動的だった授業より吸収力が格段に上がります。
そこで何を吸収するかは人それぞれかもしれませんが、多くの参加者に見られるのが「興味分野の拡大」です。例えば医療の問題を扱うPBLだったとして、最初は仕方なく医療のことを調べていた生徒も、次第にのめり込んでいくのです。これが「主体的な学び」の成果と言えるでしょう。
結果、これまであやふやだった「進路」が明確になったと言う報告もよく聞きます。
PBLは単なる調べ物学習だけではありません。調べて得たインプットを自分たちなりに解釈してアウトプットする機会までがセットです。
すると彼らの多くは、「自分の考えた事が相手に伝わらない」という現実に相対する事になります。伝わらない理由はエビデンスが不足していたり、あまりに主観的すぎて客観的な根拠が乏しかったり、また論理的な説明になっていないことなどが原因です。
そして彼らは「論理的思考力」の重要性がわかるのです。原体験をもとにした問題意識ほど強い動機づけになるものはありません。論理的な思考力を磨くために理数系の科目に打ち込み始めた、などと言う話も聞きます。主催者としてはありがたい限りです。
PBLには課題も多い
さて、これまでメリットばかり伝えてきましたが、PBLには課題も多いのです。これまでの学習効果を読んでいただき気づいた方も多いかもしれませんが、PBLの大きな課題の一つは定量的な評価が難しいと言うものです。
では次回は、PBLの課題について書いていきましょう。
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