学校行事の中でメインだといっても過言ではない修学旅行。実際に引率をするとなると、いろいろな不安がありますよね。
「下見に行く必要があるのか?」
「事前にどんなことを準備したら良いのだろう?」
「あると便利な持ち物が知りたい!」
このような悩みや不安を抱える先生も多いはず。私も教員時代、宿泊行事の時は「何を準備したらいいのだろう?」と、毎回不安になっていました。
今回は、私自身の教員経験や他の先生の体験を参考に、「修学旅行前の事前準備について」と「あると便利な持ち物」を紹介します。この記事を読むことで、修学旅行のイメージが持てたり、持ち物を準備するのに役立ったりするので、ぜひ最後まで読んでくださいね!
目次
修学旅行前に下見をしておくことで、旅行中の細かい動きが確認できます。下見をすることで、旅行当日の具体的なイメージを持てるので安心ですよね。しかし、実際は学校によって下見のあるなしが異なります。
校外学習の際の下見の必要性について、文部科学省の「学校の危機管理マニュアル作成の手引き」には、以下のように書かれています。
特に、野外での活動の際は、引率者は、携帯電話等の情報ツールを携行することはもとより、情報収集の手段を確保しておくことや、事案が発生した場合の非難を念頭においた下見を行うことなど場所に応じた対応が求められます。
学校の危機管理マニュアル作成の手引き
修学旅行の下見がないケース
私は6年間、公立中学校で勤務していましたが、修学旅行の下見をした先生はいませんでした。私の夫も中学校教員ですが、旅行会社の方が引率してくれるので、下見に行ったことはありません。
下見がない場合でも、旅行会社の方との打ち合わせの時に、
・生徒が集合できる場所
・緊急時の際に対応してくれる病院
・ホテルの設備
など、細かいことを確認できます。
私も疑問がある時は、旅行会社の方に相談したり、修学旅行で訪れる施設に直接尋ねたりすることで解決できました。初めての場所に引率する時は、経験のある先生や、旅行のプロである旅行会社の方を頼るのも1つの方法です。
修学旅行の下見があるケース
学校や引率者の考え方によっては、下見を行っている場合もあります。実際に宿泊をして、見学先やホテルを細かくチェックして、当日の行程をイメージします。
下見をすることで当日に備えられる一方で、問題になるのが旅費や休みです。教員の中には、年休を取った上、自腹で下見にいく先生も。交通費の有無など、学校によって対応が異なることがあるので、下見を検討する際は早めに管理職に相談をするのがおすすめです。
早い時期から準備が進んでいく修学旅行ですが、事前準備がどれだけできるかで、旅行当日の安心感やスムーズさが異なります。ここからは、私が修学旅行や宿泊研修などの宿泊行事を通して、「もっとこうすればよかった!」「しっかり確認しておいてよかった!」という4つのことを紹介します。
①生徒の健康確認やアレルギーへの対策
まず準備しておきたいことは、生徒の健康状態の確認と、アレルギーへの対策です。養護教諭が担当してくれることも多いですが、引率者全体で把握しておくことで、旅行中の対応に困ることはありません。
アレルギーについては、食事内容の変更などが必要な場合があるので、早めに確認するのがおすすめです。乗り物酔いのしやすさなどのチェックも欠かせません。せっかくの旅行なのに、「酔いやすい席に座ってしまった生徒が動けない」という事態は避けたいですよね。
事前にアンケートを取ったり、養護教諭が管理している情報を共有してもらったりと、しっかり事前に準備しておきたいことの1つです。
②教員間での役割分担を明確にしておく
次に大切な事前準備は、教員間での役割分担です。修学旅行中の班ごとの引率や、写真の担当、部屋チェックの担当など、細かいところまで分担しておくのがおすすめ。
しおりなどに役割を明記しておくことで、引率者も確認して行動できます。役割分担が明確でないと、当日の対応に追われたり、一部の教員にだけ負担がかかったりしてしまうことも。役割分担を初めから明確にして、教員の打ち合わせでもしっかり確認しましょう。
③教員間でルールを確認しておく
役割分担と同時に、修学旅行中のルールを教員同士で確認することも欠かせません。
・おやつを食べていい時間帯
・自由時間のルール
・困った時に、判断をする教員は誰か
など、ルールを明確にしておくことで、判断に困ったり、慌てたりすることを減らせます。
修学旅行中は、いろいろな判断が求められます。教員間でルールが共有されていない場合は、何かがあって生徒を指導した場合に、「〇〇先生が良いって言ったから」と生徒の混乱を招くことも想定できます。 教員同士も気持ちよく仕事ができるように、ルールの確認は徹底しておきたいですね。
④旅行中の詳細までイメージトレーニングをする
最後におすすめしたい事前準備は、旅行中の詳細までイメージトレーニングをすることです。旅程を見ながら、自分と生徒の動きをイメージすることで、疑問や課題が見えてきます。例えば、
・お弁当を食べた後のゴミはどうする?
・生徒の部屋のルームキーはどうする?
など、しおりを眺めているだけではわからない課題が明確になります。
旅程の詳細ができたら、教員の打ち合わせ前にイメージトレーニングをして、旅行前の打ち合わせ中に疑問を解決しておきましょう。
次に、修学旅行中に持っておきたい教員の心構えを紹介します。修学旅行中に大切なのは、「教員同士の情報共有を忘れないこと」です。
修学旅行中は、
・生徒が体調を崩した
・旅程が変更になった
・予定通りに物事が進まない
など、臨機応変な対応が求められる場面が多いです。
その時に、一人で判断をしてしまい、自分の指示などを他の引率者に共有しないことで、他の教員はどのように対応すべきか困ってしまいます。
臨機応変な対応が必要になった時には、他の先生と相談しながら決めるのがおすすめ。時間がなくて、自分で判断・対応した場合でも、共有を忘れないことが大切です。
最後に、修学旅行中にあると便利な持ち物を5つ紹介します。必須の持ち物に追加して、役立ちそうなものがあれば、参考にしてください!
モバイルバッテリー
あると便利な持ち物の1つ目は、モバイルバッテリーです。「教員同士の連絡や緊急時に、スマートフォンや携帯電話を使おうと思ったら、電源が切れていた!」なんてことは避けたいですよね。もしもの時のために、手持ちカバンの中にモバイルバッテリーは携帯しておきたいものの1つです。
腕時計
時間管理が重要な修学旅行では、腕時計も役立ちます。スマートフォンで時間は確認できますが、出し入れの必要がない腕時計があるとやはり便利です。特に、全体を仕切る役割を担う場合は、常に時間を確認する必要があるので、腕時計はおすすめの持ち物です。
シンプルなスニーカー
修学旅行中は、歩くことが多いので、シンプルなスニーカーがあると便利です。あまりに派手だと、スーツを着用する場合に浮いてしまうので、おすすめは黒などのシンプルな色。「緊急時の対応で走らなければならない!」という時にも、スニーカーなら大丈夫です。
デジタルカメラ
デジタルカメラは、生徒の写真を撮影するのに持っておきたいアイテムです。学級通信や卒業アルバムの写真として使うことがあるので、いろいろなシーンや生徒の写真があると、後々役立ちます。あまりに大きなカメラだと持ち歩くのに不便なので、コンパクトデジタルカメラサイズが便利です。
もしもの時にも必要な現金
最後に紹介する便利な持ち物は、現金です。修学旅行中は、寄れるお店が限られているので、電子マネーが使えないこともあります。そのため、飲食代分は準備しておきましょう。さらに、生徒の体調が悪くなり、病院に引率して、代わりにお金を払う可能性もあるので、少し多めの現金を持っていくのがおすすめです。
今回は、修学旅行中の「下見や心構え」についてと、「あったら便利な持ち物」を紹介しました!修学旅行中は、普段の学校生活とは異なり、いつもとは違う生徒の様子が見えたり、臨機応変な対応が求められたりします。
事前準備をしっかりしておくことで、当日慌てずに対応できることが増えます。この記事が、修学旅行に引率する先生の役に少しでも立てば嬉しいです。事前準備をしっかりして、安心して修学旅行に出発してくださいね!
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