初任者としてがむしゃらに働いた1年目が終わると、4月からは2年目の教員としての生活がはじまります。教員1年目は大変だといわれますが、2年目になるとどのような変化があるのでしょうか。
今回は、教員2年目で変わることや、2年目のポイントについて紹介します。
教員は常に学び続ける姿勢が求められます。2年目もさらなる経験を積み、信頼される教員を目指しましょう。
目次
初任者研修は終わりますが、その分新たな仕事や、責任ある役割を任される機会が増えてきます。
校務分掌での役割が重くなる
2年目からは、校務分掌での分担が一気に増えます。
校務分掌も、初任者には比較的少なく割り当てられやすいですが、2年目からはほとんど配慮されなくなります。
2年目に主任を任されたり、大きな行事のリーダーを任されたりするケースもあるため、責任をもってやり遂げる覚悟が必要です。
給料が少しだけ上がる
総務省のデータによると、小・中学校教員の平均給料月額は、
・1年目…214,451円
・2年目…222,052円
・3年目…230,715円
このように、少しずつですが上がっているのがわかります。
引用:総務省 第6表 職種別、経験年数別、学歴別職員数及び平均給料月額
経験年数が長くなるほど、徐々に給料が上がっていくのはうれしいですね。
学年主任や分掌の主任になると、手当がつくケースもあります。
学級経営の難しいクラスを任される
クラス替えの際、1年目よりも、問題行動を起こす子どもが多いクラスを担当する可能性が高いです。
3月末に行われる次年度のクラス編成では、「初任者のクラスには注意が必要な子を少なめにしよう」「ベテランの先生には大変な子を多くお願いしよう」といった調整が行われます。
1年目の教員には、ある程度担任しやすいクラス編成が作られますが、2年目からはそういった配慮は減るでしょう。次年度の初任者や、講師枠で採用された1年目の先生などへの配慮が優先されるためです。
同じ学年の担当に初任者と2年目教員が配置されることも珍しくありません。前年度よりも、いっそう気を引き締めて4月までの準備をしましょう。
4月には新しい先生が新任・転任でやってくるため、いつまでも一番下の後輩気分ではいられません。
他の先生からのフォローが減る
初任者研修が終わると、今まで相談しやすかった指導教員は別の担当を受け持つため、フォローを受けにくくなります。
また、同じ学年を受け持つ先生が変わるため、こちらから何も言い出さない限り、「2年目だから、きっと大丈夫だよね」と認識されがちです。
わからないことがあれば、自分から声を掛けて学ばせてもらいましょう。
他の先生を手助けする立場になる
2年目に入ると、今度は他の先生を手助けする側に回る機会が増えます。
新任の先生が困っていたら、前年度の自分を思い出しながら、助け船を出してあげるのが理想です。
また、転任でやってきた先生も、経験豊富とはいえ新しい学校での勝手はすぐにつかめません。備品の場所がわからずに困っている先生を見かけたら、声を掛けてコミュニケーションをとるきっかけにしましょう。
激動の1年目を経験し、乗り越えた分だけメンタル面は強くなります。1年目の4月よりも、心のゆとりは相当大きいものがあるはずです。
子どもとの関わり方をつかみやすくなる
子どもとの接し方は、1年目と2年目では大分変わってくるでしょう。
1年目に効果を感じた声掛けを試したり、他の先生のじょうずな言動をまねたりして、子どもに安心感を与えるのが理想です。
特に、4月は学級運営を左右する大事な時期なので、前年度以上に子どもとの関わり方に気を配りましょう。
忙しい時期がわかる
1年間の流れがわかってくるので、「ここは頑張りどころ」という期間がつかめ、心にゆとりをもてます。
前年度は常に気を張っていたため、毎日ヘトヘトで帰路についていた人も多いのではないでしょうか。
年度末や行事前には特に気を引き締めて業務に向かい、若干の余裕がある時期には前倒しで片付けられる仕事を終えておきましょう。
前年度の子どもの成長を感じられる
初任の頃に担当した子どもの成長を感じられるのは、たとえ学級担任ではなくなったとしてもうれしいものです。
上達した書写の掲示物や、委員会活動で活躍する姿を見るのは、教員のやりがいの1つといえるのではないでしょうか。
ここからは、教員2年目に押さえておきたいポイントをご紹介します。
1年目の反省を活かす
同じ失敗を繰り返さないように心掛け、成功体験を活かしましょう。
・声掛けの仕方に失敗した
・問題行動への対応が遅れた
・事前準備が不足していた
このような失敗を日々経験してきた人もいると思います。
また、1年目の自分を落ち着いて振り返ると、「うまくいったこと」も見つかるはずです。
失敗と成功の両方を意識化し、次年度につなげましょう。
前年度の子どもと比べない
1年間で得た経験を、そのまま次年度の子どもに当てはめてはいけません。
「去年の子たちはできたのに……」という考え方は禁物です。
2年目となると学級運営が難しいクラスをもつようになるため、子どもへの意識がネガティブになる恐れがあります。
「去年よりもうまくいかない」と思う場合には自身の指導法を見直して、これから向き合う子どもたちを大切にしてあげてください。
後任の先生をサポート
新任の先生は、1年前のあなたと同じように、右も左もわからない状態です。
もちろん初任研の指導教員や、同じ学年担当の先生がさまざまなフォローをしますが、歳の近いあなたが声を掛けてあげるのも大切です。
少しでも早く学校現場になじめるように、できる範囲のことは先輩として手助けしましょう。
教員2年目になると、学級経営の難しいクラスを任されたり、校務分掌の役割が重くなったりします。他の先生から受けられるフォローは減り、他の先生を手助けする側に回る機会が増えるでしょう。
大変な1年目を乗り越え、心のゆとりはできるはずです。初任の頃の反省を意識化し、次年度につなげましょう。
教員は常に学び続け、成長することが求められています。2年目もさらなる経験を積み、信頼される教員を目指してください。