「まだ教職経験も浅いのに、仕事内容がきつすぎる……。どうしたらいいのか分からない」
このような悩みを持ちつつ、毎日の仕事をこなしている先生は多いです。特に、初任の先生や2~3年目の先生は、悩みを1人で抱えてしまいがち。
そこで今回は、教職経験の浅い先生が抱えやすい悩みをピックアップし、解決するためのヒントを提案します。小学校教員だった筆者の経験をもとに、「1年目で気付いていればもっと楽だったな……」というポイントを書いています。
この記事を読むことで、教員が抱えやすい悩みについて、解決への糸口がつかめますよ。
目次
厚生労働省が出した教職員調査には、業務に関連したストレスや悩みとして以下の内容が挙げられています。
- 長時間勤務の多さ(43.4%)
- 職場の人間関係(40.2%)
- 保護者、PTA等への対応(38.3%)
- 学校や児童生徒を取り巻く環境(31.1%)
- 休日、休暇の少なさ(28.6%)
厚生労働省:平成29年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況
教員の勤務時間は、ご存じの通り、尋常ではない長さです。長時間の勤務となってしまうのは、仕事量があまりにも膨大すぎるから。学校では次から次へとアクシデントが発生し、対応に追われますよね。
「時間にゆとりさえあれば、1つのアクシデントに対してきめ細やかな対応ができ、問題解決や再発防止につなげられるのに……」と感じている人もいるでしょう。膨大な仕事量を抱えつつ、職場の人間関係や保護者対応、児童生徒への対応が必要です。先生にかかる負担は重く、悩みが積もり積もってしまいます。
ここからは、教員の悩み解決策を具体的に紹介します。
結論からいうと、「人に頼ること」が大事です。頼るべき人たちは以下の通り。
- 同僚に頼る
- 子どもに頼る
- 家族や友人に頼る
同僚に頼る
同僚に頼る
教職歴がまだ浅いなら、仕事の進め方で悩むのは当然のこと。同じ学年の先生や、話しやすい先生にどんどん相談してください。「他の先生方は忙しそうで、時間を割いてもらうのは申し訳ない……」と遠慮しがちの人は、以下の3点を意識してみましょう。
★先生は教えるのが好き
大半の先生は教えることが好きなので、若い後輩に頼られて悪い気はしないはずです。
★調べたうえで、分からないことを相談する
まずは自分で調べ、予想を立ててから相談しましょう。ただし、一刻を争うアクシデントは即時報告を。
★数年したら自分が教える側
多くの学校では、次年度に初任の先生を迎えるため、数年後にはあなたが教える側です。若手でいられる今のうちに、先輩方から教わっておくべきです。
子どもに頼る
子どもたちに、もっと頼ってみてください。特に初任の先生は、教室内のことを1人で抱え込みがちです。もっと子どもの力に頼っていいんですよ。
純粋にお手伝いが好きな子もいますし、教師の大変さを理解したうえで手伝ってくれる子もいます。また、子どもたちに「自分でできることは自分でする」という習慣を身に付けさせ、日常で達成感を味わう機会を増やす意味でも、子どもに任せるのは大事です。
家族や友人に頼る
仕事上のストレスをため込むと、体の健康面にも悪影響です。同僚の先生と話す時間がなければ、家族や友人に話を聞いてもらいましょう。プライバシーにあたることは避けつつ、自分のつらい状況を話してみれば、気分が少し落ち着きますよ。
先生の仕事は多すぎです。子どもたちと関わる時間や、授業研究にあてる時間を増やしたいのに、他に優先すべき仕事が山ほどあるのがつらいところ。
若手の先生は、休日返上で働かざるを得ない状況に追い込まれやすいです。ただ、「夜遅くまで仕事する」「休みの日も職場や家で働く」というのが当たり前になると、どこかのタイミングで確実に体か心が壊れます。がむしゃらに働くのも大事ですが、あわせて仕事の効率化を目指してください。
子どもの力で仕事効率化
教室内のすべての仕事を教師がするのではなく、子どもと一緒に取り組んだり、任せたりしてみましょう。例えば、図工や書写の掲示を、子どもと一緒にやってみてください。
「教師がロッカーの上やはしごにのぼり、子どもに作品をパスしてもらう」という手法を取り入れたところ、2倍以上のスピードで終わるようになりました。子どもとコミュニケーションをとれるのもメリットです。作業後は「ありがとう」の気持ちを伝え、子どもの自己肯定感を高められるようにしましょう。
もう1つ、子どもに任せたいのが「けんかの仲裁」です。先生がトラブル仲裁に入るのもよいですが、子ども同士で問題解決できる力を身に付けさせるのも大切です。具体的には、「けんかをした子ども」だけでなく、「けんかを止めようとした子」にもスポットをあてること。
トラブルメーカーの子に気を取られがちですが、けんかの仲裁に入った子にも目を向け、ほめてあげてください。日々根気強く続けていけば、子どもたちも成長します。突発的なトラブルが減れば、先生の負担も少し軽くなりますよ。
職場の人間関係は、解決が難しい悩みです。多くの仕事を抱えつつ、人間関係での負担まで掛かるとなると、心が持ちません。無視されたり、悪口を言われたりすると、職員室にいるのもつらくなってしまいます。
悪口を言わない
相性の合わない先生がいる場合は、極力関わりを避けるのが無難です。こちら側からは、決して文句や悪口を言わないようにしましょう。歴の浅いあなたに比べ、他の先生同士はつながりがありますので、悪口はすぐに伝わりますよ。
家族や友人に悩みを聞いてもらう
職員室で孤立してしまったら、家族や友人に相談してください。誰かに話すと少し楽になります。1人で抱えず、信頼できる人に聞いてもらいましょう。客観的に状況を見てもらえれば、あなたの気付いていなかった視点が開けるかもしれません。
さまざまな悩みを抱えつつ、毎日の授業や仕事を行うのは本当につらいですよね。若い先生ほど、真面目さから悩みを1人で抱えてしまい、満身創痍に陥りやすいです。
「他の人に迷惑を掛けてしまうかも……」という考えは、一旦置いてみてください。誰かの力に頼るのは、決して悪いことではありませんよ。少しずつでよいので、自分の負担を楽にできるよう行動してください。