アクティブラーニングとは??文科省が示す方針と実践例

この記事の要点

  1. 「アクティブラーニング」は生徒同士で互いに切磋琢磨しながら学ぶ
  2. 新たな価値観を発見することができる
  3. 授業のマネジメントを工夫しよう

今回はアクティブラーニングについてお話していきます。

みなさんはアクティブラーニングにどのようなイメージをお持ちですか?  この記事を読むことで、アクティブラーニングがどんなものか、メリットや必要なことがわかります。そして最後に実践例をご紹介できればと思いますので、最後までどうかお付き合いください!!

アクティブラーニングとは

文科省HPによると、アクティブラーニングとは以下のように定義されています。

教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れ た教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、 教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査 学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク 等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。

文部科学省 教育課程企画特別部会 論点整理 補足資料(5)https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/09/24/1361110_2_5.pdf)

・・・難しいですよね(苦笑)

要するに、【教師からの一方的な教え込みではなく、生徒同士で互いに切磋琢磨しながら学ぼう】ってことです。その方法論が、教室内での…の部分になります。
 そう考えていただければ、ハードルはかなり下がりますね。まずはそれぐらいの理解度でいてください!!

アクティブラーニングのメリット

アクティブラーニングを行うことで以下の効果が期待されています。

自ら進んで学ぶ力が身につく

 アクティブラーニングとは、生徒たちが自ら動いて学びを深めていくものです。ICT機器を使ったり、ディスカッションやグループワークをしながら学習しますので、自ら進んで学ぶ力がつくとされています。

周囲と協力(協働)する力が身につく

 アクティブラーニングでは、授業の中心は教師ではなく、生徒同士の協働作業(グループワーク、話し合いなど)です。従来の授業とは異なるスタイルでの授業により、生徒同士が協力する力を養うことができます。

自ら課題を見つけ、解決する能力が身につく

 アクティブラーニングでは、生徒同士で話し合う時間が通常の授業よりも増えるため、新たな価値観や発見を見つけ、お互いに学ぶことができます。また、自分自身が持っている疑問について他者と協働しながら解決することで、自己解決能力も身につきます。

アクティブラーニングをするためのポイント

では、実際にアクティブラーニングを行うために必要なことについて考えていきましょう。

 アクティブラーニングは、通常の授業とは違い、話し合いや生徒の学び合いに重きを置くことになるので、授業のマネジメント自体に不安を感じられる先生方も多いのではないでしょうか。以下のいくつかのポイントを押さえておくことで、現在の授業時間と同じだけのペースで授業を勧めることができるはずです。

板書はしない

 パワーポイントなどを使って、板書の時間を減らす。ハンドアウトで渡すだけでも時間の削減になります。

説明する箇所を絞る

 全てを説明しようとすると、時間がいくらあっても足りません。難しいところだけを解説して、後は協働作業で解決させるぐらいの意識を持って!!

グループの役割分担は、わかりやすく。

 いざグループにして動き出そうと思っても、勝手がわかるまでは生徒はなかなか動きません。グループ活動をさせる前に、生徒たちに役割を明示し、分担させておくことによって、いざ活動となった時にでもスムーズにできるはずです。(実際はモジモジしてなかなかできないことも多いですが!!笑)

アクティブラーニング実践例

では、実際にアクティブラーニング実践例を、解説を交えながら紹介したいと思います。

中学校での実践例:【安曇野市立三郷中学校 数学】

 単元は2次方程式です。まずは前時の復習をしながら、黒板に板書を行います。分からない問題がある場合は後ろの生徒に確認。教師はわからないまま黙っている生徒がいないかを確認しながら机間巡視を行います。

 次に小グループで問題の解き方を確認します。教師は「どうやって解けばいいのだろう?」と発問するだけで、生徒は自分たちで話をしながら方法論を探ります。

 続いて全体での話し合いです。グループで問題の解き方を話し合ったものを発表し、一つの答えを導き出します。また、解ききれなかった問題に挑戦し、解き方を確認する場面も見られます。

 最後に、本時のまとめを行い、次回につなげます。

 参照:独立行政法人教職員支援機構『アクティブラーニング授業実践例』

高校での実践例:【広島県立呉宮原高等学校 英語】

 まずはフラッシュカードを用いて単元で使う語句・用法の確認です。その後は【ジグソー法】と呼ばれるアクティブラーニングの手法を用いています。

具体的には、4つに分けられた1つの文章のうち、それぞれの生徒はどれか1つを読み、内容を把握します。グループに分かれ、「どんなことが書いてあったか」を他のグループのメンバーと話し合い、元の文章に組み立てていきます。この方法により、「正確に情報を伝える・読み取る」「相手に質問を多くする」という行動が見て取れました。

 最後に、教科書から内容を読み取り、対話で得た情報や内容を基に、自分で意見をまとめます。

 参照:独立行政法人教職員支援機構『アクティブラーニング授業実践例』

まとめ

いかがでしたか?アクティブラーニングは生徒が活発に動きますので、普段の授業とはまた違った生徒の反応もあると思います。通常授業と並行しながらアクティブラーニングができるのが、今の生徒たちには合っているかとは思いますので、少しずつでもいいのでトライしてみてください!!

ありがとうございました。