「学生同士の関わりが少ない」「クラスの団結力を高めるための方法を探している」こんな悩みを抱えている先生は多いのではないでしょうか。
実際に人間関係の悩みを抱えている学生は多く、先生方の中には「クラスの人間関係をもっと良くするためにはどうしたら良いのだろう」と悩んでいる方も少なくありません。
クラスや集団の人間関係を改善するための方法の1つが、チームワークを向上させること。チームワークが高まることで、その集団に属するメンバーが安心して交流できるようになり、日々の学校生活や行事の際に個々の力を発揮できるようになります。
今回はチームワークを向上させるために会社で使われることが多い「チームビルディングの事例」の中から、学生でも楽しめる方法を5つ紹介していきます。室内で簡単にでき、学校でも実践しやすい活動を選びました。
- ペーパータワー
- マシュマロ・チャレンジ
- バースディライン
- 漢字自己紹介
- NASAゲーム
クラスやグループのチームワークを向上させたいと考えている先生は、ぜひ日々の実践に取り入れてみてくださいね!
目次
「チームビルディングには、具体的にどのような効果があるか知りたい!」という方に向けて、まずはチームビルディングの効果を紹介します。チームビルディングの効果としては、
- 学生同士のコミュニケーションが活性化する
- 意見が言いやすい雰囲気が作れる
- 集団の心理的安定
- チームで考えることのメリットを理解できる
このようなものがあり、結果的に集団のチームワークが高まります。チームビルディングの活動では、チームの仲間同士が協力をして何かを成し遂げるため、積極的なコミュニケーションは不可欠。
活動の中で意見を交換しているうちに、日頃から自分の意見をクラスメイトに伝えやすくなったり、「いつでも意見を聞いてもらえる」という安心感を持てたりします。
また、活動を通して「一人で考えるよりも、チームで考えた方が良い結果が出る」と実感できることも多いです。チームビルディングの活動は会社等で行われることが多いですが、クラスや集団での人間関係の形成やチームワーク向上にも役立ちます。
では、実際に学生でも楽しめるチームビルディングの方法を具体的に紹介していきます。1つ目に紹介するのは、「ペーパータワー」です。
ペーパータワーとは、4〜6人ほどのグループになり、紙20枚だけを使って「どれだけ高いタワーを作れるか」を競うゲームです。紙を折ったり、切ったりしながら、工夫して紙で塔を作ります。ペーパータワーの流れの例は次の通りです。
- チームで作戦会議の時間を5分ほどとる
- 設定時間内でタワーを作成
- タワーの長さを計測する
- 振り返りの時間を設定
タワーの作成時間は、2分などの短い場合や、1時間ほど使う場合もあるので、目的や時間がどのくらい取れるか等で設定してください。
- メンバーどうして意見を出し合えたか
- 役割分担がしっかりできていたか
- メンバーのアイディアを共有できていたか
などの振り返りをした後に2回戦目を行うと、さらにチームが団結し、チームビルディングの効果が高まります。
紙の使い方や役割分担など、戦略を考えることやコミュニケーションが必須のゲームなので、新しく作ったグループのチームワークを高めたい時にも最適ですね。

次に紹介するゲームもタワー作りなのですが、次はマシュマロを使います。「マシュマロ・チャレンジ」は、
- マシュマロ
- パスタ20本程度
- ひも
- マスキングテープ
- はさみ
を使用し、タワーを作ります。「いかにマシュマロをタワーの高い位置に置けるか」を競うゲームです。公式ルールでは、4人1チームで、時間は作戦タイムも含めて18分間。
テーブルにタワーを固定するのはNGですが、パスタやテープ、ひもは折ったり貼ったりできます。世界記録は99センチと言われているので、この記録の突破を目指すのも面白いですね。
マシュマロタワーを実践する際の流れは、
- 道具の配布・説明
- 作戦会議・タワーの作成(18分間)
- タワーの計測・結果発表
- 振り返り
- 再チャレンジ
ゲームの時間を短くし再チャレンジを行うことで、どんどん高いタワーができるようになり、メンバーが楽しみながら取り組めます。
道具を準備するのは少し大変ですが、ペーパータワーよりも使える道具が多いので、役割分担やアイディアも増えることが予想される活動です。
3つ目に紹介するチームビルディングの方法は、「バースデーライン」です。バースデーラインは短時間で実施でき、準備も簡単なので、あまり時間がない時でも行いやすい活動です。
ルールはシンプルで、
- 制限時間内に誕生日の早い順番から1列に並ぶ(1月1日生まれが先頭で、12月31日生まれが最後尾)
- 会話や筆談をしてはいけない
- 身振り手振りだけで誕生日を伝え合う
この3つだけ。バースデーラインの流れは、
- 参加者全員に誕生日の順番に並んでもらう
- 答え合わせ(先頭から誕生日を発表)
このようにとても簡単です。時間さえしっかりと確保すれば、クリアが難しくない活動なので、
- 時間設定を短くする
- 複数のチームで競わせる
などの工夫をすることで、難易度が上がります。グループメンバーの誕生日を知っていたら簡単にクリアできてしまうので、まだお互いについてあまり知らない時期に実施するのがベストな活動ですね。
私も教員時代に研修で経験したことがありますが、話せない分、参加者のジェスチャーや表情に注目できて面白かったです。参加者の誕生日がいつなのかを知ることもでき、楽しい時間でした。

次に紹介する「漢字自己紹介」も短時間で、簡単にできるチームビルディングの取り組みです。名前通り、漢字で自己紹介をするゲームで、5人以上のグループで行います。
紙に「自分を表す漢字1文字」を書き、他のメンバーは「なぜその漢字を選んだのか」を考えます。全てのメンバーの理由が聞けたら、どうしてその漢字を選んだのかの答え合わせをします。
メンバーの意外な一面がわかったり、自分がどう見られているのかがわかったりする面白い活動です。
気の知れた仲間同士の場合は、「自己紹介」ではなく「今年の漢字」を選んで理由を考えたり、漢字ではなく「あなたを動物で表すとしたら?」などとお題を変えたりすることで、柔軟に実施可能!
一般的な自己紹介をするより相手のことを考え、自分の意見を伝える時間が確保されている活動なので、意見を交流し合う活動の前におすすめです。
最後に紹介する学生でも楽しめるチームビルディングの方法は、「NASAゲーム」というコンセンサスゲームです。コンセンサスゲームとは、「チームのメンバーの意見を聞き、合意形成を行う必要があるゲーム」を指します。
一人ひとりが自分の意見を伝え、チームで1つの結論を導きます。結論を出す際は多数決や諦めなどはNGで、しっかりと話し合いをしなければならない活動です。NASAゲームのストーリー設定を簡単にまとめると、
- 自分は月面に着陸しようとしている宇宙飛行士
- 機械の故障で母船から離れたところに不時着してしまった
- 母船に無事に辿り着くために、15のアイテムの優先度を考える
このような内容になっています。
アイテムの中には、
- 宇宙食
- ナイロン製のロープ
- 酸素ボンベ
- 水
など、さまざまなものがあります。
「母船にたどり着くまでにこれらのアイテムをどのように活用できるか」について考え、優先度が高い順番に選択。
NASAゲームの流れは次の通りです。
- 個人で優先順位を考える(5〜10分間)
- 4〜6名のグループごとに考える(15〜20分間)
- グループごとの発表(優先順位とその理由)
- NASAが示している模範解答を発表
- 模範解答との差を出し、合計を算出
- 模範解答との差が最も小さいグループが優勝
- 振り返り
NASAゲームを通して、「チームで考えるとより良い答えが出る」ということが理解できます。また、個人の意見を尊重する大切さや、合意形成の難しさも体感できるでしょう。
子どもたちが優先順位を真剣に考え、メンバーの意見を尊重して聞き、話し合う姿が印象的でした。個人の考えよりチームでの結論の方が正解に近づいていたため、一人ひとりの考えを尊重できる活動だと実感。
なかなか自分の意見が言えない学生がいる場合や、チームで考えることの良さが実感できていない場合に有効な活動です。
今回は、学生でも楽しめるチームビルディングの方法を5つ紹介しました!
- ペーパータワー
- マシュマロ・チャレンジ
- バースデーライン
- 漢字自己紹介
- NASAゲーム
紹介した方法は、初対面の緊張感をほぐすために使えたり、お互いを良く知っている学生同士でも楽しめたりするので、目的に合わせて実践するのがおすすめです。
新しいクラスやグループの中で、なかなか自分の意見を伝えたり、相手を尊重したりするのが難しい子がいることも多いです。チームビルディングの実践を学校生活に取り入れることで、チームに所属する全員が安心して活動できる集団を目指したいですね!
今回紹介した実践が、より良いクラスやグループ作りのための参考に少しでもなれば嬉しいです!
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