【生徒も参加できる】PBL授業で社会人講話を活用する方法

「社会人講話や地域人材などをうまく活用して、PBL授業を行いたいけれど、どのように授業を組み立てようか悩んでいる」という先生はいませんか。せっかく時間やお金をかけて社会人講話を授業に取り入れても、生徒が受け身になってしまう等、うまくその時間を活用できないと悩んでしまいますよね。

この記事では、社会人講話を活用しながら、生徒が受け身にならず参加できる方法を3つご紹介!社会人講話をPBL授業の中に設定することで、生徒の学びが深まったり、やる気が高まったりするので、社会人講話の活用方法に悩んでいる方は参考にしてくださいね!

PBL授業を行うメリットを紹介

まずは、PBL(問題解決型学習)授業を行うメリットを3つ紹介していきます。PBL授業は、計画や準備に時間がかかることが多いですが、その分学ぶことも多いです。PBL授業を行うメリットは主に次の3つです。

  1. 主体的に取り組める
  2. 思考力が鍛えられる
  3. 自ら得た情報なので定着しやすい

教員から課題を与えられるのではなく、生徒たちが自ら問題を見つけて解決に向かう授業のため、主体的に取り組めるというメリットがあります。また、身近な課題を解決するために、調査・検証を行う過程で、考える力が鍛えられるというメリットも。

数学の問題のように答えは1つではないので、いろいろな角度から物事を考えたり、他の人の意見を取り入れたりしながら解決策を導き出す過程で、思考力や応用力が高まります。

さらに、課題を解決するために必要な情報を能動的に集めるため、知識の定着がしやすいこともPBL授業を行うメリットです。「これは大切だから覚えておきなさい」と言われた情報より、自分で必要性を感じている情報の方が記憶に残りやすいですよね。

このように、PBL授業は生徒が主体的に取り組み、さまざまな力を付けられるという点でメリットが多いです。

社会人講話をPBL授業に取り入れる魅力

次に、PBL授業に社会人講話を取り入れる魅力を紹介していきます!学校内で完結するPBL授業の形式もありますが、社会人講話を実施することで、授業がより魅力的になります。例えば、

  1. 授業が実践体験型に近づく
  2. 社会と連携できる
  3. 実践的なので生徒のやる気も上がる

このような魅力があります。

生徒が取り組む課題に詳しい方を講師として呼び、話を聞くことで、生徒が扱う課題の現状や解決策が具体的になります。リアルな情報を得ることで、課題解決に向けて真剣に授業に取り組み、実践的な力を身につける生徒も増えるでしょう。学校外の講師を招いて授業に関わってもらうことで、社会と連携した実践体験型のPBL授業に近づきます。

また、社会と連携している感覚を強く感じ、真剣に課題解決の方法を考えられるため、モチベーションを保ちながら授業に取り組める生徒も多いはず。このように、社会人講話は、生徒が主体的に取り組み、より実践的な力を身につけられるPBL授業作りのために役立ちます。

社会人講話を取り入れる際の悩み

実際に「社会人講話をお願いしたことがあるけれど、生徒が受け身で、どのくらい学びを深められたのかわからない」という先生もいるのではないでしょうか。社会人講話は、PBL授業を魅力的にしてくれる反面、授業内で講話のみを行うことで、生徒が受け身になってしまう可能性もありますよね。せっかく時間やお金をかけて講師を呼んだのに、生徒の学びが深まらなければもったいないです。

次からは、このような悩みを解決するために、生徒が積極的に参加できる社会人講話の活用方法を紹介していきます!簡単に実践できる方法もあるので、授業作りの参考にしていただけたら嬉しいです。

PBL授業で社会人講話を活用する方法①:パネルディスカッション

1つ目に紹介するPBL授業で社会人講話を活用する方法は、「パネルディスカッション」を行うことです。

パネルディスカッションを行うことで、生徒たちは課題に対する専門家の意見をいろいろな角度で聞くことができます。講師一人の講話を長い時間聞いているよりも、さまざまな意見を聞ける環境なので、面白さを感じる生徒も多いでしょう。

パネリストとして3名以上の講師を呼ぶ必要があるので、人材を集めるのが大変というデメリットはありますが、地域人材の力を借りる等の方法もあります。

例えば、地域課題を扱うPBL授業なら、その道の専門家を呼んでみたり、地域おこし協力隊の方に講話を依頼したりする方法があります。パネルディスカッションを実施する際は、生徒がタブレットを使用することで、より主体的に授業に取り組むことが可能。

例えば、ディスカッションを聞きながら、「クラスルーム」等のアプリを使用して、
・パネリストへの質問
・生徒の意見
などをチャット形式で共有することもできます。

「挙手をして直接質問をするのはハードルが高い」と感じる生徒が多いですが、タブレットからの参加だとハードルは下がります。さまざまな講師の考えを聞いたり、気軽に質問をしたりできる環境を整えることで、生徒たちも積極的に参加できる授業が実現します。

PBL授業で社会人講話を活用する方法②: YouTubeライブ風

2つ目にも、生徒が積極的に社会人講話に参加しやすい方法を紹介します。

その方法は、「YouTubeライブ風」の講話です。イメージは、YouTubeライブを行いながら、質問に答えるYouTuber!

講師の方に、生徒が設定した課題について話してもらった後、生徒の質問に答えてもらう形式です。質問はさきほど紹介したパネルディスカッションの時と同様、「クラスルーム」等のアプリを使って共有。

講師が質問をピックアップして答えるのではなく、教員が講師の近くに待機し、質問を読み上げる形でも良いですね。

実際に、社会人の方に講話をしていただき、質疑応答の時間を設けても、緊張をして聞けない生徒が多いです。タブレット等を使って、文字で質問することで、緊張しやすい子や人前で話すのが苦手な生徒も参加しやすくなります。

日頃YouTubeを見ることが多く、YouTubeライブに参加している生徒も多いと予想されるため、質疑応答を楽しみながらも主体的に参加できるのではないでしょうか。

PBL授業で社会人講話を活用する方法③:ディベート形式

最後に紹介する授業で社会人講話を活用する方法は、「ディベート形式」で行うことです。ディベートには生徒が参加し、社会人講話の講師の方には話し合いのヒントや資料提供、判定をお願いするという形で実施します。社会人講話をディベート形式で活用する流れの例は次の通りです。

  1. 課題解決のヒントになる社会人講話を実施
  2. 講話で学んだことに加え、ディベートに向けて情報収集を行う
  3. クラスごとにトーナメント形式でディベートを行う
  4. 講師(講話をお願いした方)を呼んで、クラスの代表生徒がテーマについてディベートを行う
  5. 参加者全員でジャッジする
  6. 講師にコメントをいただく

講話をお願いしたのち、生徒が情報収集やディベートを重ね、最終的な発表を見てもらうという形で実施することで、生徒たちは意欲を保ちながら学習に取り組めるでしょう。例えば、テーマとしては、

  • 若者離れが多い地域は今後発展するのか
  • 社会人は勉強をする必要があるのか
  • 将来の夢はひとつに絞るべきか

このように地域課題やキャリアについてなど、さまざまなものを取り扱えます。生徒たち全員が同じテーマでディベートを行ってきたからこそ、
・最終ディベートのチームがどのような意見を持っているのか
・講師は自分たちのディベートを聞いてどのような感想をもつのか
などに関心を持ちながら、参加することができますね。

社会人講話を活用してより実践的なPBL授業を

今回は、社会人講話をPBL授業で活用する方法を3つ紹介しました!

①パネルディスカッション形式
②YouTubeライブ形式
③ディベート形式

せっかく社会人を招いて講話をお願いするなら、生徒が主体的に参加でき、学びが多い時間にしたいですよね。

社会人講話は、PBL授業ととても相性が良いです。より実践的な授業を計画するなら、社会人講話を活用する方法を検討してみてはいかがでしょうか。

今日紹介した3つの方法が、PBLの授業作りの役に少しでも立てば嬉しいです!

<参考文献>

PBLの事例と手法は?高校授業で参考にしたい2つの手法と3つの事例
PBLとは?意味やメリット、授業に取り入れる方法をご紹介

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